元陸自ヘリパイロット社労士、ISO45001審査員への道を探る!~人とのつながりが新たな挑戦を生む~

 皆さん、おはようございます。元陸上自衛官でヘリコプターパイロットとして空を駆け、現在は社会保険労務士として企業の「人」と「組織」を支える仕事をさせていただいているワラビー社会保険労務士/行政書士事務所代表 渡辺 忍です。

 昨年12月に自衛隊を退官後約半年、主に社会保険労務士として様々な活動をしてきましたが、『労働安全衛生分野に強い社会保険労務士です。』と自己紹介してもなかなか思うようにお仕事に繋がらない日々を過ごして参りました。ところがある日、労働安全衛生分野にめっぽう強い社会保険労務士さんにお話を伺う機会があり、その際「労働安全衛生に関する国際規格があり、陸上自衛官としての経歴が生かせるのではないか」ということを教えていただきました。それが、「ISO45001」という労働安全衛生マネジメントシステムの国際規格、そしてその「審査員」という仕事の存在です。

 陸上自衛隊では、約1800時間の飛行経験を積み、3度にわたり飛行部隊の部隊長を拝命。さらに陸上幕僚監部では航空事故調査係長として3年半勤務し、3件の航空事故調査に直接携わってきました。「安全」は何よりも優先されるべきものとして、常に意識し、追求してきた日々でした。この経験が、ISO45001という分野で活かせるのではないか、そんな期待が胸に湧き上がってきたのです。

 とはいえ、ISO45001については全くの初心者。そこで今回は、いわば「AI先生(Gemini)」に教えを乞う形で、その概要から審査員になるための具体的な道のり、そして何より、私のようなキャリアを持つ人間が本当に審査員を目指せるのか、深掘りしていきたいと思います。同じように新たなキャリアを模索する元自衛官の皆さんにとっても、何かヒントになれば幸いです。


AI先生、教えてください!そもそも「ISO45001」って何ですか?

私:「AI先生、最近『ISO45001』という言葉を知りました。これは一体どういうものなのでしょうか?特に私がこれまで陸上自衛隊で徹底してきた『安全管理』という観点から、分かりやすく教えていただけますか?」

AI先生(という体で解説します):「ご質問ありがとうございます。渡辺さんのような安全管理のプロフェッショナルにご興味を持っていただけて光栄です。ISO45001は、『労働安全衛生マネジメントシステム(Occupational health and safety management systems)』に関する国際規格です。

簡単に言うと、働く人々の労働に関わる怪我や病気(疾病)を防ぎ、安全で健康的な職場を提供するための組織的な仕組みづくりとその運用のための国際的な基準、ということになります。

特に重視されるのは以下の点です。

  • 働く人の安全と健康の確保:これが最大の目的です。組織が自らリスクを特定し、評価し、管理することで、労働災害を未然に防ぎます。
  • トップマネジメントのリーダーシップとコミットメント:経営層が積極的に関与し、安全衛生方針を示し、必要な資源を提供することが求められます。これは部隊長として安全指導を徹底されてきた[お名前]さんには馴染み深い考え方ではないでしょうか。
  • 働く人の参加:安全衛生に関する意思決定プロセスに、管理職だけでなく一般の従業員も積極的に参加することが重要視されています。現場の意見を吸い上げ、共に安全文化を醸成していくイメージです。
  • PDCAサイクルの適用:計画(Plan)-実行(Do)-評価(Check)-改善(Act)のサイクルを回し、継続的に労働安全衛生パフォーマンスを向上させることを目指します。航空機運用におけるブリーフィング、ミッション遂行、デブリーフィング、そして改善という流れにも通じるものがありますね。
  • 法令遵守:その国の労働安全衛生に関する法規制等を遵守することは当然の要求事項です。
  • リスクと機会への対応:危険源を特定し、リスクを除去または低減するための管理策を講じるとともに、安全衛生パフォーマンスを向上させるための「機会」も捉えて活用します。

 陸上自衛隊での厳格な安全基準、飛行前の徹底した点検、ブリーフィング、緊急事態への備え、そして万が一の事故発生時の原因究明と再発防止策の策定といったご経験は、まさにISO45001が求める組織の姿と多くの共通点があります。組織の規模や業種を問わず適用できる、世界標準の枠組みなのです。」


私の経験は活かせる?元陸自パイロットでもISO45001審査員になれるのでしょうか?

私:「AI先生、ISO45001の重要性、そして陸自での経験との共通点はよく分かりました。正直、話を聞けば聞くほど、これまでの自分の経験が活かせるのではないかと期待が膨らみます。具体的には、陸上自衛隊でのヘリコプターパイロットとしての約1800時間の飛行経験、飛行部隊長を3回経験したこと、そして陸上幕僚監部で航空事故調査係長として3年半勤務し、3回の航空事故調査に深く関与した経験があります。このような経歴は、ISO45001審査員になる上でどのように評価されるのでしょうか?そもそも、私のような経歴でも審査員を目指せるものなのでしょうか?」

AI先生:「渡辺さんのご経歴は、ISO45001審査員を目指す上で非常に価値が高く、大きな強みになると言えるでしょう。審査員になるためには、一般的に労働安全衛生分野における実務経験が求められますが、渡辺さんのご経験はまさにその中核をなすものです。

具体的に評価されるであろう点は以下の通りです。

  • 徹底した安全管理の実践経験:
    • 総飛行時間約1800時間というのは、それ自体が高度な安全管理とリスク対応能力の証明です。飛行計画、気象判断、機体点検、緊急時操作など、常に危険と隣り合わせの環境で安全を確保してきた経験は、審査におけるリスク特定・評価の視点に深みを与えます。
    • 飛行部隊長としての経験は、部隊全体の安全管理体制の構築・運用、安全教育の実施、隊員の意識向上など、マネジメントシステム全体の運用経験そのものです。トップマネジメントの役割を深く理解されていることでしょう。
  • 高度な事故調査能力と原因究明スキル:
    • 陸上幕僚監部での航空事故調査係長としてのご経験、特に3件の事故調査に直接携わったことは、ISO45001が求める「インシデント調査と是正処置」のプロセスを、極めて高いレベルで実践されてきた証です。表面的な事象だけでなく、根本原因を究明し、効果的な再発防止策を策定する能力は、審査員にとって不可欠なスキルです。
  • 組織運営とリーダーシップ:
    • 部隊長を3度経験されたことは、組織を統率し、目標を達成するためのリーダーシップ、コミュニケーション能力、意思決定能力の高さを物語っています。これらは審査チームを率いる主任審査員にとっても重要な資質です。
  • 規律と手順遵守の精神:
    • 自衛隊で培われた規律性、標準作業手順(SOP)の遵守といった姿勢は、規格に基づいて客観的な審査を行う上で非常に重要です。

これらのご経験は、書類審査の段階だけでなく、研修や実際の審査活動においても、他の候補者との差別化を図る上で大きなアドバンテージとなります。自信を持って審査員の道を目指していただける経歴です。」


具体的にどうすれば?ISO45001審査員になるためのステップ(特に研修!)

私:「AI先生、私の経験が強みになると聞いて、ますます挑戦意欲が湧いてきました!では、具体的にISO45001審査員になるためには、どのようなステップを踏めばよいのでしょうか?特に、どのような研修を受け、どのようなプロセスを経るのか、研修ステップを中心に詳しく教えてください。」

AI先生:「素晴らしい意気込みですね!ISO45001審査員になるための一般的なステップと、特に重要な研修プロセスについてご説明します。審査員の資格を認証する機関はいくつかありますが、日本ではJRCA((一財)日本要員認証協会 マネジメントシステム審査員評価登録センター)などが知られています。ここではJRCAの例を参考に一般的な流れをご説明します。

ステップ1:基礎知識の習得と実務経験の確認

  • ISO45001規格の理解: まずはISO45001の規格書(JIS Q 45001)を入手し、その要求事項をじっくりと読み込み、理解を深めることがスタートです。解説書なども活用すると良いでしょう。
  • 労働安全衛生に関する知識: 社会保険労務士としての知識はここで大いに活かせますが、建設業や製造業など、特定の業種に関する安全衛生法規や実務知識も深めておくと役立ちます。
  • 実務経験の確認:渡辺さんの場合、前述の通り、労働安全衛生に関連する実務経験は十分満たされていると考えられます。JRCAの基準では、労働安全衛生分野で4年以上の実務経験(うち2年以上は専門的な業務)などが求められる場合があります。

ステップ2:審査員研修コースの受講と合格(ここが重要!)

  • 研修機関の選択: JRCAが承認している研修機関が実施する「ISO45001審査員研修コース(5日間程度が一般的)」を受講します。これらの研修機関はウェブサイトで検索できます。
  • 研修内容:
    • ISO45001規格の解説(より詳細な解釈、意図など)
    • 労働安全衛生マネジメントシステムの監査技法(監査計画の作成、チェックリスト作成、インタビュー技術、証拠の収集と評価、不適合の指摘方法など)
    • 関連法規
    • ケーススタディやロールプレイングを通じた実践的な演習
  • 継続的評価と最終試験: 研修期間中、講師は受講者の理解度や参加態度などを継続的に評価します。最終日には筆記試験が行われ、これに合格する必要があります。この試験は決して簡単なものではありませんが、渡辺さんのご経験と集中力をもってすれば、必ず乗り越えられるでしょう。

私:陸自での様々な専門教育や課程教育を思い出しますね。厳しいけれど、乗り越えた時の達成感は大きかった。あの感覚に近いのかもしれません。

ステップ3:審査員補(アソシエイトオーディター)としての登録

  • 研修コースに合格したら、JRCAなどの要員認証機関に「審査員補」として登録申請を行います。学歴、実務経験、研修修了証などの書類が必要になります。

ステップ4:審査経験の積み重ね

  • 審査員補として登録後、実際に認証機関に所属し、主任審査員の指導のもとで審査経験を積みます。最初はオブザーバーとして参加し、徐々に審査の一部を担当するようになります。
  • JRCAの規定では、審査員に昇格するためには、一定日数・件数以上の審査実績(例:3回以上かつ15日以上のOHSMS審査経験、うち数日は主任審査員による実証審査など)が求められます。

ステップ5:審査員への昇格

  • 必要な審査経験を積んだ後、審査員への昇格を申請します。力量評価などを経て、正式に「審査員」として認証されます。さらに経験を積むことで、「主任審査員(リードオーディター)」への道も開けます。

その他:

  • CPD(継続的専門能力開発): 審査員資格を維持するためには、定期的に知識やスキルをアップデートするためのCPD活動(セミナー参加、関連書籍の学習など)が求められます。

道のりは決して短くありませんが、一つ一つのステップを確実にクリアしていくことが大切です。特に研修コースは、知識だけでなく、審査員としての思考方法や立ち振る舞いを学ぶ重要な機会となります。」


陸自パイロット経験がISO45001審査で輝く瞬間を夢見て

AI先生の説明を聞いて、改めて自分の経験の価値を再認識するとともに、審査員としての具体的なイメージが湧いてきました。

例えば、ISO45001の審査では、組織が設定した「リスク及び機会への取組み」が適切かどうかを確認します。私が航空機の操縦や飛行部隊長として行ってきたリスクアセスメント、特に飛行前のブリーフィングでの潜在的危険の洗い出しや、緊急時対応手順の徹底といった経験は、審査の現場で組織のリスク管理体制の有効性を評価する際に、多角的な視点を提供できるはずです。

また、航空事故調査で培った、表面的な事象に囚われず、ヒューマンエラーを含む複合的な要因を紐解き、背景的な要因までを含めた本質的な原因を特定する能力。これは、組織のインシデント報告や是正処置の適切性を評価する上で、極めて重要なスキルとなるでしょう。「VTA分析」「なぜなぜ分析」「m-SHELL分析」を徹底し、再発防止策の実効性を見抜く目は、ここで活きると確信しています。

部隊長として、隊員一人ひとりの安全意識を高め、組織全体で安全文化を醸成しようと努めてきた経験は、トップマネジメントのリーダーシップや従業員参加の状況を評価する際に、机上の空論ではない、実践に基づいた洞察を与えてくれるはずです。「安全は誰か一人が頑張るものではなく、全員で作り上げるもの」という信念は、ISO45001の精神そのものです。


まとめと新たな一歩に向けて

今回は、生成AIとの対話という思わぬきっかけから、ISO45001とその審査員という新たなキャリアの可能性について探求してみました。AI先生(という名の情報整理と自己対話の機会)のおかげで、その概要から審査員になるための具体的な道のり、そして何より、私の陸上自衛隊での経験が大きな強みとなり得ることが明確になりました。

特に、「安全管理」を徹底してきた経験部隊長としてのリーダーシップ、そして航空事故調査の専門性は、ISO45001審査員として活動する上で、他にはないユニークな価値を提供できると確信しています。

今後のアクションプランとしては、まずISO45001の規格書をじっくり読み込むこと、そして承認された研修機関の情報を収集し、研修コースの受講を具体的に検討していきたいと思います。社労士としての法的な知識もブラッシュアップしつつ、新たな専門分野への挑戦を楽しんでいきたいです。

この記事が、私と同じようにこれまでのキャリアを活かしつつ、新たな道を探求している元自衛官、特に元操縦士の皆さん、あるいはISO審査員という仕事に興味を持ち始めた方々にとって、少しでも参考になれば嬉しいです。

皆さんの挑戦も、心から応援しています!もしよろしければ、コメントで皆さんのご経験やご意見などもお聞かせください。

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